タイルの記憶
週末の作戦会議は雨の中。
私たちには同世代の大工の友人がいます。佐渡に来て三年の時間は、多くの繋がりを産んでくれました。専門的な視点で問いを立てられる彼と一緒の会議は何よりも心強かったのです。
水道工事を担当する地元の業者さん、大工の友人、私たちで、改めて「まだ名前のない家」に足を踏み入れました。これまで数人の友人がこの家に訪れていたけれど、面白いのは人が変わる度に、この家の新しい発見があることです。
今回は水周りの工事の相談も本題だったので、キッチン・トイレまわりをぐるりと回っていた時、この家の原型があった頃(この家は四角い小さな家から、どんどんDIYでまわりに部屋が増築された男のロマン物件なので)、使われていたタイル貼りのお風呂と洗面台をまじまじと眺める。
「こりゃ〜珍しい。今じゃほとんど見ないな。ひょうたんと楓か。」
水道工事を担当する業者のおじさんも、面白がって4人でタイルを見ながらニヤニヤ。こういう時間が面白い。予想をしてない出会いがあるのが空き家なんですね。
タイルに大の大人が4人でニヤニヤなんて。
そんなこんなをしてるうちに作戦会議は終了。
現地をざっと見てこれから見積もりを作成してもらうのですが、ドキドキです。
全ては見積もり次第。今できること、この先頑張ること、を選別する基準はやっぱりお金。時間と労力も大切だけど空き家にはお金がつきものです。(正直に言います)
私たち田舎素人、手に技術なし、これから経験値を積む未熟者の場合は、初めからDIYを全てやることはハードルが高い。だからこそ時間をかけて、自分たちの出来る範囲からはじめるくらいが丁度いいのです。
移住、田舎暮らし、空き家リノベーション
無理しなければ、どんな人だって挑戦できると思います。完璧を目指さないこと。