もし今東京でうずうずしてて、地方にいって何かしてみたいと思う人がいたら、間違いなく「地域で教育に関わりなよ」ってアドバイスします。『地域づくり』って結局は『人づくり』だと思う話。
タイトル長いですよね。でもどうしてもこれ入れたいと思ったんです。その理由を語ります。
佐渡は暴風雪警報のアナウンス。外出を控え屋内にとどまることを推奨すると防災無線が流れるような日々。仰せの通り屋内にとどまってつらつらと文章を書きはじめました。
来月末をもって3年間の地域おこし協力隊の仕事が終わります。東京のマーケ/PR業界でワーカホリックだった自分が、17時定時上がりで夜ご飯を家で食べるようになり、畑の耕運機の手動式エンジンがかけられるようになり、インパクトドライバーで床板をはれるようになり、3月からは人生初のニートになり、創業の準備をはじめるなんて、前職の会社に入社したての20代前半の私には想像できなかった未来だと思います。いい意味で確実にタフになってる(笑)
写真:耕運機のエンジンかけるのが最初とても苦手で、今もたまにスカっとミスります。
といいつつ正直この3年でやり遂げたこと・・ないですね。暮らし方の変化、新しい人との繋がり、地方の実状、行政とはなんぞや、危機感、課題意識ってものは確実に蓄積されてきているけれど、協力隊で活動した3年で何か大きな”変化”や”インパクト”を残せたかというと、何もない。会社を辞める時、引き止めてくれた上司達に話した次の3年間の計画は、ほとんど達成できてないのです。(あの頃は若くて、何も知らなくて、勢いだけだった自分が恥ずかしい)
写真:佐渡にきたての頃、佐渡の海を前にして意気揚々な私
それでもわかったことはあります。地域をつくるのは人だということ。仕事柄「地域づくりとは?」の問いに何度も何度も(もう嫌というほど)出くわすのですが、その度に自分がどんなに熱量があっても、一人でできることは高が知れていて、上手くいかない原因は仲間づくり。
会社って理にかなってる。ある程度興味のある仕事に集まってきた集合体だから、一人の熱量の伝播が簡単なんですよ。地域は根底がバラバラ。価値観も、課題意識も、モチベーションも統一されないところで、「これを一緒にやってみませんか?挑戦してみませんか?」とわーわー騒いでも簡単には伝播してかないんです。ちょっと熱量が感染したかな?と思ってもすぐ自己免疫力で回復して行って、もとの「のほほんライフ」に戻って行ってしまう。
※「のほほんライフ」とは、毎日を平和に波風立てず、ゆっくりのんびりと暮らすとても素敵な生活スタイル。悪くないんですけどね「のほほんライフ」でもそんな悠長なことを言ってられるほど、余裕がないことに(特に地方の皆さま)ほとんどの方が気づいてない・・
だから私気づいたんですよ。「地域づくり」って結局「人づくり」だなって。熱量が伝播しやすい「人」を育てていくことが一番の近道。そして「のほほんライフ歴」の長い諸先輩はもちろんですが、まだ何色にも染まってない「子どもたち」に希望を見出そうと思ったわけです。そう考え出したのが2016年の冬ごろ。思ったら即行癖のある私(佐渡移住時も11月に初観光→翌年2月引っ越し)は、「人づくり」ってどうしたらいいんかい?と思った時に、思い出したんです。あの本を・・
写真:「僕たちは島で、未来を見ることにした」より拝借
3年前佐渡に住むぞと心に誓った時、出会ったこの本「僕たちは島で、未来を見ることにした」島根県 隠岐諸島 海士町 地域活性の事例では有名な場所なので知ってる人も多いかもしれませんが、私にとってこの本は”衝撃”でした。
そして繋がったんです。この海士町で学校魅力化プロジェクトに取り組んでいるチームがあること、そしてそのチームが社会人向けプログラムを島根大学で実施していること、そのテーマがまさに「地域教育魅力化リーダー養成」即出願です。書類選考、遠隔面接を経て、2017年の4月から1年だけ学生復帰することになりました。(大学から合格が届くのってやっぱり嬉しい)
写真:久々に大学キャンパスに足を踏み入れるドキドキ!!
写真:クラスメイトは20代〜60代、北は新潟〜南は沖縄まで!海士町実習にて集合写真
写真:海士町ってこんな島 どんな地域?気になる人はコチラから
この1年は忙しかった。この社会人プログラムは「受講」ではなく「構成」でした。聞いて学びを得るスタンスではなく、自分から学びを得に行く、提供する、貪欲に現場の変容を追い求めるガチなやつです。平日の夜は遠隔ライブ授業を佐渡の自宅で受け(居間でくつろいでる家族に断りを入れながら)、5回ほど対面授業を受けに佐渡から島根に通います。(遠い・・遠かった・・)授業と授業の間には事前と事後課題があって、自分の考えをまとめ形にするスキルアップにもなりました。(仕事→課題→授業→仕事のループは苦しくなることも)
写真:海士町の高校生たちが学校終わりに集まって学ぶ場 これ塾です!公営塾とは?
そんな苦しみもありつつ、何を学んだのか、自分の「人づくり」のテーマにどんな影響があったのか、気になるのははそこですよね。はっきりと言います。何かしら「地域に関わる仕事」に興味があるのであれば入り口を「教育」にすることは間違いない。「地域づくり」の根底にはやはり「人づくり=教育」は欠かせないということを、身をもって感じました。
前を前を走っている海士町の何が他の地域と違うのか、ずばり「人」です。外から入ってきた人材の意識とスキルは言うまでもなく、地域のプレイヤーになる若手、中堅、おばちゃんたちまで、地域に対する課題意識とモチベーションが違った。全員が違ったとは言いきれませんが、一見普通の島の方々が課題意識について自分の言葉で語れるってすごいと思いません?
写真:離島から離島へ 海士町訪問の際に出会った町のプレイヤー(素敵な島民のみなさま)
それを培ってきたのが「教育」。学校が変わり→子どもが変わり→親や地域が変わってくる。これが、私が理解した「人づくり」の流れ。地域にいると身近な大人の意識を変えていこうと努力しても今まで「のほほんライフ」を送ってきた長たちを変えていくのはハイレベル、こっちの気力と体力が吸い取られていきます。
だからこそ、いやむしろ、自分よりも若い子どもたちの「意識」や「未来で活躍できる人間力」のサポートをすること、その結果自然と周りの大人にも変容が起きる作戦の方が重要且つ近道なんではないかと思ったわけです。即行動私は、同じような思いを持った佐渡メンが集まるチームに参加しながら想いやプロジェクトをまとめた冊子を作ってみたり、高校生のマイプロのメンターをしてみたり、自分なりにどんな関わりを、どんな活動をしようかともがき中。
写真:3年くらい島の子どもたちと関わってきたことを一冊の冊子にまとめてみたり・・
写真:”ミッションインポッシブル”に思えるような佐渡の高校生企画のメンターをしてみたり
写真:紆余曲折 叱咤激励の結果 目標金額50万をなんとか集め高校生の夢水上アスレチックが
写真:結果が全てではなく、プロセスが大事ということをイベント後に反省会を開いてみたり
写真:続けたい、反省した、課題だ、挑戦してみたいことを整理できるような成長を感じたり
結論として、タイトルにも書いてますが、「地域づくり」は「人づくり」だと思います。よくヒト・モノ・カネと言われますが、まずはヒト。ヒトによってモノやカネがいかようにもついてくると思うんですよ。もし今東京でうずうずしてて、地方にいって何かしてみたいと思う人がいたら、間違いなく「地域で教育に関わりなよ」ってアドバイスします。学校の先生になれということではありませんし、教職をもってなくても全然いいです。むしろ民間企業でバリバリプロジェクトを動かしてるくらいの人が、地方の子どもに関わる仕事を学校や地域と協力して行っていく方が素敵な未来が待ってる気がします。
この1年で学んだことを、これから佐渡の未来を一緒に考える私の仲間づくりに生かしたい。私の熱量の理由はまさにこれ。暮らしを移した佐渡が抱える課題を一緒に楽しみながら考えられるクレバーな仲間が欲しいから。この先そんな仲間と面白い佐渡を築きたいから。以上です。人材育成とか教育とか学術的なことの興味なんて、本当のところそんなにないんですよ。笑
人づくり、地域づくり、地域で教育、気になっちゃった方にはお土産を置いておきます。
◎島根大学 地域教育魅力化センター https://cerd.shimane-u.ac.jp/fmf/
◎「高校魅力化コーディネーター」「地域教育コーディネーター」× 求人etc...で検索っと!